三重県四日市市の心療内科・精神科
諏訪メンタルクリニック

三重県四日市市諏訪栄町5番8
ローレルタワーシュロア四日市2階
医療モール内 電話 059-336-5900

主婦の心療内科・精神科

身体表現性障害・うつ状態

専業主婦のBさん(50代)

娘たちが巣立ってから、原因不明の喉の違和感が

 
Bさんは二人の娘さんを育てることと、家事に生きがいを感じていた、ごくふつうの専業主婦です。
しかし長女に続き、次女も県外に嫁いでしまいました。家族4人で賑やかに過ごしていた家に、旦那さんの出勤後は一人でぽつんといることが長くなりました。
旦那さんは無口な人であまり夫婦の会話もなかったのですが、次女が同居していたので寂しさは感じていませんでした。趣味も特になく毎日同じ日々が続くようになってから、寝られない日が続き、食事をしてもおいしくないので食欲が落ち、痩せていくBさん。ついには原因不明の喉の違和感や、イガイガ、痛みという症状が出てきました。
 
「もしかしてガンではないか」と疑い、あちこちの病院で検査を受けますが異常はありません。しかし症状はなくならないので不安な状態は続きます。
「ひょっとして誤診では」と思い、あちこち病院を回りますが、やっぱりどこにも異常は見つかりません。すると受診した耳鼻咽喉科の医師から「精神的なものではないですか」と指摘をされ心療内科を受診されました。
 

心の葛藤が言葉以外の経路を通って体外へ出てくる「身体表現性障害」

 
Bさんは診察で、実際に異常がないのに喉の違和感があること、眠れない日が続いて食欲も落ちていることを訴えましたので、喉の症状なども含めて総合的にうつ状態と身体表現性障害と診断しました。身体表現性障害では喉のほか、頭痛、肩こり、背中や足がつるような痛み、震えなど、いろいろな症状が出ます。
さまざまな葛藤を言葉にすることができないため、心因性の症状が経路を通って体外へ出てきているのです。
Bさんには薬物療法と精神療法を行うことにしました。身体表現性障害は自分で自覚していない葛藤が体外に出てくることで起こるので、感じている悩みを言葉で表現をしてもらうのです。
 
Bさんは、「娘さんが結婚し自宅に一人でいるのが寂しいという状況が病気の原因だ」と気づいていませんでした。そこで
 
「症状が出始めた時期と娘さんが家を出た時期は同じですか?」
 
「家で一人でいる時間が長くなった時期と症状が出た時期の関係性はどうですか?」などの質問をしました。
 

愛犬を介して旦那さんとの会話が増える

 
この病気は葛藤がいろいろな通路を通って出てきているので、葛藤が言葉になって出てくれば症状は出なくなる可能性があります。
Bさんも原因に気付いたことで症状がすぐによくなるわけではありませんが、ガンだと思い込んでいた症状が「精神的なものだ」という安心感はすぐに得られました。
Bさんが理解できたところで疾患の説明をし薬物療法も並行して行っていくことになりました。
 
治療を進めている間にBさんには「なにか夫婦で会話が増えるきっかけになることはないでしょうか」とお聞きしました。すると以前より考えていた犬を飼うことを決断され、その後犬を介して旦那さんとの会話が増えたそうです。今では昼間は友人が開いている料理教室にも通うようになり充実した日々を送っています。

アルコール依存症

几帳面で真面目な性格の専業主婦のAさん(40代)

旦那さんのスーツの中にスナックの女性の名刺が

 
Aさんは、料理が大好きで家事は完璧にこなすタイプの専業主婦。友人と出かけることもなく、これといった趣味もなく、両親とは別居なので普段は家事をこなしつつテレビを観るのが日課でした。
旦那さんが全く家事を手伝ってくれないのは不満でしたが、文句も言わずに黙々と家のことをこなす日々です。
 
ある日、旦那さんのスーツの中にスナックの女性の名刺が入っているのを見つけてしまったAさん。言いようのない不安を感じましたが、旦那さんに問い質すことはできませんでした。しかし一人で考えていると不安とイライラが強くなり、大好きな料理をしても楽しくありません。
 イライラした気分を「どうにか晴らしたい」と思った時に目についたのは旦那さん用の買い置きの缶チューハイです。そんなに好きでもなかったのですが缶チューハイを飲んでみたところ、気分がちょっと楽になりました。
 

手が震えていることに気がつき、精神保健福祉センターで相談

 
もともとAさんはお酒に強いほうだったので、イライラした時にお酒を薬代わりに飲むようになっても家事に支障は出ませんでした。しかしお酒には耐性があって同じ量では効かなくなり、どんどんお酒の量は増加していきます。
お酒が抜けてしまうと、聞きたくても聞けない旦那さんの浮気のことを思い出し不安に襲われます。すると今までため込んできた、家事を手伝ってくれないことへの不満などが一気に噴き出してくるのです。
 
Aさんはお酒が抜けると不安や問題を思い出してしまうことが怖くなりました。缶チューハイだったお酒もだんだんと強い梅酒やウイスキーになり、お酒のことばかり考えてお酒のない生活が想像できなくなってしまいました。
ある日、Aさんは友だちと一泊旅行に出かけることになり、当日お酒を飲まずに出かけたところ、だんだん手が小刻みに震えていることに気がつきます。お酒の離脱症状が出ていたのです。
ようやくAさんは「私のお酒の飲み方はおかしいんじゃないのか」と気づきました。最初に駆け込んだ精神保健福祉センターで相談をすると「アルコールの依存症では?」と指摘され、一人で心療内科を受診しました。
 

アルコール依存症は「否認の病」ですが、立派な病気です

 
アルコールは「否認の病」とも言われ、最初はAさんもアルコールが問題であると認めることができませんでした。
ですからお酒のことは最初話してくれません。いろいろ話を聞いてみて、お酒のことが出てきたら、お酒の飲み方などを聞いていきます。すると「大して飲んでません」と少な目に申告されるAさん。しかし最後には「旦那さんが帰ってくるまでにできていた夕食の支度ができなくなって、旦那さんとけんかをして困っています」と告白してくれました。
 
しかしお酒にはもともと強いので、旦那さんは奥さんの飲酒に気づいていなかったようです。またAさんは体の依存も出ているようで、手の上に置いた紙が震えていました。震えは身体依存レベルですが、まずは出るのは「お酒がないと生活できない」「お酒がない生活が想像できない」という精神依存です。
 
Aさんを総合的に判断してアルコール依存症と診断しました。
まずAさんに話したのは「アルコール依存症はWHOで定義されている病気の状態です。このまま飲み続けると体中に障害が出たり、糖尿病になったり、心筋梗塞になったり、いろんな病気が発症します。死亡率も高く、平均寿命も短くなります」ということです。
アルコールが抜けている段階で来られていれば、自分がどういう状態であるかを客観的に理解できるので、「自分は病気だ」という意識は持てるのです。
まず、お酒を飲むことが病気だとは思っていなかったAさんに、自分が病的な状態だと自覚させ、このままいくとどうなるかという見通しをつけていただきました。
 

断酒会に参加、旦那さんとたくさん話して心の痛みが減る

 
やっとお酒を飲むことが病気だと理解したAさんに今後についてのお話しをします。依存症に至ると一旦飲酒を始めるとコントロール不能になるため断酒が必要であることを説明し、基本的には断酒会とかAA(アルコホーリクス・アノニマス)などのアルコール依存症の患者さんが集まって話し合う自助グループなどへの参加を勧めしました。最近では、お酒を求める気持ちを抑える薬も出てきているので、そういった薬を使うことも場合によってはあります。
Aさんは自助グループの会に参加し、参加者とともに断酒を続け、それを維持することにしました。
 
また、家事に対する不満や浮気の疑念を旦那さんに言えなかったのがお酒を飲むきっかけだったので、「旦那さんと腹を割って話してみてはどうですか」とアドバイスをしました。
それからAさんは週末に旦那さんと共通の趣味である山歩きに出掛けたり、二人の時間をちゃんと持って会話をたくさんするようにしたところ、心の痛みが減りました。再飲酒には至らずに経過しています。
 

「専業主婦は大変な仕事」、おしゃべりや趣味で気分転換を

主婦の方の中には、産後うつや育児ノイローゼになる方もおられます。「専業主婦の生活は楽だ」と思われがちですが、そんなことはなく、それぞれに大変な部分があります。またきちんと評価されないこともつらいことです。

「主婦業は大変な仕事」と考え、ストレスをためないために、なるべく誰かとおしゃべりができる機会を作ったり。趣味を持ったりして気分転換をしてください。
また運動や趣味を楽しむのも効果のある方法です。ジムに行ってみるとか、山歩きをするとか、ストレス発散に時間を使えるとよいでしょう。

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