三重県四日市市の心療内科・精神科
諏訪メンタルクリニック

三重県四日市市諏訪栄町5番8
ローレルタワーシュロア四日市2階
医療モール内 電話 059-336-5900

ビジネスマンの心療内科・精神科

適応障害・自閉症スペクトラム障害

食品会社の商品開発部門で働くAさん(40歳代/男性/既婚/子供なし)

対人関係が苦手な開発者が出世すると

 
食品会社に勤めている Aさんは、独自の視点で次々とヒット商品を開発した業績が認められて、めでたく部長に昇進することになりました。
しかし昇進によって、今までは専門職として自分の仕事だけに集中していられたのが、部下から相談を受けたり、上司との間に立って交渉するような、ちょっと苦手な仕事もやらなければならなくなりました。
職場環境が一変してから、夜眠れなくなり食欲も落ち、体重が 10キロも減ってしまった Aさん。特に朝に気分が落ち込むことが多く、会社に出勤するのがとても辛くなってしまいました。最初のうちは奥さんに「体調が悪いので」と会社に電話をしてもらい時々休んでいましたが、そのうち全く出社できなくなってしまいました。
「どうせ会社に行ってもうまくいかないんじゃないか」と口にする Aさんに、奥さんは「知り合いの旦那さんがうつになった話を聞いたんだけど、あなたも、うつじゃないの ?」と言いました。「自分は心療内科を受診するような状態ではない」と思うのですが、出社できないのは事実です。そこで Aさんは心療内科に一人で来られました。
 

自閉症スペクトラム障害と適応障害

 
Aさんは診察で、「 2週間以上気分が沈んだままで、今まで楽しいと思っていた趣味のゴルフへの興味もなくなって、夜眠れず食欲もなくなっている」と訴えられました。精神科の診断は初診では難しいことも多いのですが、 Aさんの場合は「うつ状態」であると考えられました。
苦痛を和らげることが治療の導入部として必要なので、今困っていることに優先順位をつけてもらいました。
 
そこから Aさんに「今最も必要なのは休養で、今の状態で無理に出勤をしてもいいことはないと思います」と伝えました。休職を勧めると Aさんは「仕事が忙しいので休むのは難しいです」と納得されません。そこで「風邪などと同じように今は病的な状態です。休養をとって、まずは良くすることが大事ですよ」とお話しすると、 Aさんはしぶしぶ休職することを承諾しました。
 
Aさんには症状が安定した後、心理士による心理テストも受けていただきました。「相手があなたに車をぶつけられた」などの特定の状況を示したマンガを見て相手にどのように返答するかを答える「投影法」と、 IQを測る知能検査です。
知能検査では普通に発達した方(定型発達の方)は全ての項目で大きく差がでず、同じぐらいの点数であることが多いのですが、発達障害の方は能力差がバラバラになるのが特徴の一つとしてありえます。 Aさんのテスト結果と、幼少期からの話、小学校からの通知表などから学童期からの情報を詳しく聞かせていただいた上で、「自閉症スペクトラム障害」がうつ状態になる状況を作っていると診断しました。「発達がすごく凸凹していて、得意なことと不得意なことの差が激しくなる傾向があるので、こちらも対応が必要です」とお知らせし、合わせて治療を考えることになりました。
 

「うつ状態」は休職で改善

 
休職した Aさんに、精神療法と薬物療法を開始しました。 Aさんには「今自分がどういう精神状況か」を把握してもらい、休養や薬がどれくらい効果があったのか、薬の副作用があるのかを見ていきました。
そして人間関係によって引き起こされたうつ状態はずいぶん改善してきました。
 
一方、「自閉症スペクトラム障害」というのは幼少期からのものです。 Aさんは子どものころから対人関係が苦手で、話しかけられても上手く返すことができず友人から誤解されることも多かったのです。またひとり遊びが好きで、ミニカーを並べるのが好きな子どもでした。手先の不器用さも目立ちました。
自閉症スペクトラム障害は、幼少期に明らかになる自閉症よりも症状が軽いので、成人するまで顕在化しないケースもあります。 Aさんは職場環境が変わったことで、それが適応障害というかたちで顕在化したのだと思われます。そこで、今後職場に戻って同じ状況になれば、病気が繰り返すことが考えられました。
 

上司に説明して以前の職場に配置転換

 
治療期間中に行った他の心理テストでも、 Aさんは対人関係が苦手なことが分かっているので、それを「無理にやる必要はない」と伝えました。心理テストは自分自身を知り対処がわかるという治療的な意味があります。(たとえば英語が嫌いなひとがわざわざ英語圏の仕事を選ばないようにという考え方です)組織人であるビジネスマンは、ひとりでは環境は変えられないので、「もしよければ今後のことを一緒に考えていきたいので、上司の方にも来ていただいて職場環境のことなどを一度話し合わせてもらえませんか」と提案しました。
 
Aさんと上司の方が来院し、 Aさんの承諾をいただいたうえで、上司に自閉症スペクトラム障害という病名を告げました。そして「 Aさんは得意と不得意がはっきりしているタイプなので、できれば得意なところを優先してほしい。部長に昇進した今の環境は人と接することが多くなるので、人との接触が少なくて自分の専門のことが頑張れる職場に戻してもらえませんか?」とお願いをしました。
昨今の企業では産業医がいる企業も増え積極的に関わってくれる場合も多く、それで改善される患者さんもいます。理系の職場ではよくあるケースかもしれません。
 
Aさんは職場環境が元の状況に戻ったことで病院に来た当時の気分の落ち込みや不眠はなくなり出社できるようになりました。今また Aさんは、ストレスを感じずに商品開発の仕事に没頭できているそうです。
 

ADHD(注意欠陥多動性障害)

営業職のBさん(20/男性/独身)

インターネットで自分と同じ症状を見つけて受診

 
Bさんは、小さな頃から忘れ物が多く、授業中じっとしていられず教室を歩き回って先生に怒られることが多かったそうです。同級生とけんかしてカッとなり殴ってしまうようなことも時々もあったとか。
大人になって多動やイライラすることはなくなったのですが、だんだん不注意が目立つようなってきました。たくさんの仕事を一度に依頼されると、後から言われた仕事に注意を向けてしまい前の仕事を忘れてしまうのです。
 
学校の成績も悪くはなかったのに、いろいろ頼まれると一つしかできていないことが続き、上司に叱責されることが多くなってしまいました。「自分は能力が低いと思っていないけれど失敗ばかり」と悩んでいた Bさん。インターネットで自分と同じような症状の人たちがいることを知り、 ADHD(注意欠如・多動性障害 )という病名をみつけ、自身もそうではないかと思い心療内科を受診されました。
 

生活指導と薬物治療で仕事がこなせるように

 

Bさんの診察や心理テストをしたところ、不注意、幼少期の多動、衝動性等の基準を満たしているのでADHDと診断をしました。(できれば脳画像検査、脳波や血液検査も行うことが望ましいです)症状に対応できる薬は2種類ありますが、すぐに薬を処方するのではなく、「何か対処法がないか」と考えました。例えば、頼まれたことを全部紙に書いて優先順位をつけるなど具体的に生活指導を行ったのです。
ADHDなどの障害がある方は次々に興味が湧き、発想が豊かなので非常にクリエイティブな人が多いという特徴があります。薬を使うと、悪い面と一緒に、そうした良い面も薬で抑えてしまうことにもなる可能性もあります。しかしBさんは「どうしても症状が辛い」と訴えられたので、生活指導にあわせて薬を導入しました。服薬をすると吐き気や食欲低下、かえって不安が上がってしまうという副作用もあり得るので、薬を調整している期間は1~2週間おきに通院するようにお願いしました。薬物治療を続けたBさんは、ミスで叱られることがなくなり、不注意も減って落ち着いて仕事をこなせるようになっているようです。
 

ビジネスマンは仕事が忙しくても、睡眠をとり生活リズムを整えること

ビジネスマンに起こりやすいのは、うつ病、適応障害、不眠症、パニック障害、双極性障害などです。

仕事に対しての価値観はさまざまですが、「仕事が生きがい」という方もいますし、逆に仕事に忙殺されて趣味の時間を持てないことがマイナスになる方もいます。またそれぞれ持っている因子も違い、ストレスを感じ過ぎてしまって症状が出る方もいるのです。
どんなに仕事が忙しくても、趣味を楽しんだり、睡眠をきちんととったり、生活リズムを整えることが大事です。
ストレスが多い昨今、世間でうつ病が「心の風邪」と言われたことがあるほど、誰でもかかりうる病気となっています。何か異変を感じた時には、早く良くなるために早く受診していただくのがよいと思います。

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